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[小説]化物語: Twitter


読み仮名: ばけものがたり / 英語タイトル: Bakemonogatari
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アニメ:化物語

文学総合点=平均点x評価数14位/3,064作品中(総合70/偏差値112.17) 13位<= =>15位
文学平均点(評価10個以上限)12位/231作品中(平均2.33=とても良い/30評価) 11位<= =>13位
2006年文学総合点1位/143作品中 =>2位



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最新作品評価

2012/03/05 とても良い(+2 pnt) by スペ9
読みにくい小説というものはある。例えば奈須きのこ氏など最高に読みにくいし富野由悠季氏もそうだ。
では「読みにくい」からと言って面白くないかと言うとその限りではない。賛否両論ではありがちだが。

本作を読み始めるまではさぞ読みにくいんだろうなぁと構えていたのだが、これがなんと普通に読める、
普通のラノベ。さらに嬉しい誤算だったのは、アニメ視聴済みにも関わらずしっかりと楽しんで読めた
事だ。高校3年生の春休みに阿良々木暦が吸血鬼と逢ってしまった事を皮切りとした、「怪異」と暦、彼
を取り巻く少女達の物語「化物語」。

まずはっきりした点は、アニメ版はそのほとんどのシーン・セリフをそのまま原作に準拠しているという
点だ。で、ありながらアニメ版は単なる原作を「なぞらえた」だけに終始しなかったのは新房/シャフト
の手腕とキャスティングの成功に他ならない。特に神谷浩史氏、斎藤千和さん、沢城みゆきさんの上手さに
は敬服するばかりだ。アニメ版を先に見たからもあろうが、文字を追っていても彼らの声と飽きさせない
ビジュアルが常に頭に浮かぶ。やはりアニメ版は原作を十分以上に「アニメーションにする」事に成功して
いたのだ。

では原作はと言うと、実に手堅く上手な小説だと言えるだろう。「ラノベ」とレッテルを貼るだけでは
もったいない。
とにかく個性的でかつ魅力的なキャラクターの創造。何の変哲も無い、「誰にでも優しい」阿良々木暦。
それではただのギャルゲーの主人公と変わりないのだが、作中で彼は女性たちに、忍野メメに繰り返し
そこを突かれる。にも関わらず「優しさ」を失わず、忍を背負い続け、戦場ヶ原の為に羽川に殺される
のを良とせず、神原が腕を切り落とすのを許さない。そして「やさしく」彼のもとを去る忍野メメと、
彼を全幅の信頼のもとに助ける少女たち。明るく振る舞う少女達それぞれの心に重くのしかかる「心の重み」。
本作は西尾維新氏の軽妙なボケツッコミが一番の注目どころなのは間違いなかろうが、それを語るキャラクター
達の「心の負い目」が物語を単純なラノベで終わらせていない。自分を助けるために崩壊してしまった
家族と母親から目を背けてしまった戦場ヶ原。永遠に母親の許に辿りつけず関わる人をも迷わせてしまう
八九寺真宵。周囲と上手くやって行くために悪魔と契約してしまい、しかも自らの本心からも目を逸らして
来てしまった神原。優等生で居続けねばならなかった、だから自分の気持ちにも「嘘」をつかねばならな
かった羽川。彼女たちにつけ入る、或いは彼女たちが「逃避」する怪異との関係でその心の襞が露わになっ
ていく様が辛く、そしてそれを暦と「自分で勝手に助かって」解決した後の彼女たちの晴れやかさが
気持ちいい。ちなみに千石撫子の「なでこスネイク」は、千石の心の問題と言うより暦の心構えのターニングポ
イントたるエピソードなので、ここでは外した。
そしてやっぱり女性陣の個性。変過ぎだったり取っ付き難かったりだが特にガハラさんの萌えと神原の面白さ
は尋常じゃない。

阿良々木暦の一人称で進められるスタイルはラノベとしてはオーソドックスな物だが、上記の様にキャラクター
の葛藤や直接的で無い言動もあり、流し読みであっという間に終わっちゃうという読み方は出来ない。また
他のラノベと違ってモノローグもあんまり砕けた言い回しになっていない(戦場ヶ原のセリフに顕著で、例えば
他の作品では「〜なんだけど」と言うだろうトコロを「〜なのだけれども」と書くなど)のも、地味だが
特徴的だ。このセリフを噛まずに読むのはさぞ大変だったろう、特に斎藤千和さん。
先に書いた通りアニメ版は基本この原作準拠なのだが、かなりの字数が「あの」新房/シャフト演出に「化け」
ているので、小説版を読んで解る点も幾つかある。例えば戦場ヶ原と羽川の暦をめぐっての駆け引きとか。特に
嬉しかったのは、アニメ「化物語」では解りにくかった暦の神原や八九寺に対する想いだ。放送中の「偽物語」
では八九寺に関して片鱗が見えるこの点。暦の好感度アップまちがいなしだ。なのでアニメを気に入った方に
はこの原作版も触れてみることをお薦めする。

あとがきによると、本作は100%趣味で書いたものらしい。では「仕事として」西尾維新氏が書いた作品は
どんなんだろうと興味がわく。次を読んでみようと思わせる作品であることは、間違いない。


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